早大大学院とぴあが提携

朝日新聞『早大と「ぴあ」、映画監督育成へ提携 新鋭を推薦入学』によると、ぴあフィルムフェスティバルの入選者を早稲田大学の大学院に推薦入学させるなどのシステムを来春よりスタートさせるらしい。

 主な提携内容は(1)新人監督の登竜門である「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)の入選者のうち、毎年数人が大学院に奨学生として入学、2年間、映像製作の研究をする(2)同社がPFF入選者を対象に、資金提供して製作している映画に、早大が最新鋭機器の提供などで援助する(3)大学院生らが製作した作品を、全国各都市の映画館で開くPFFなどで上映するなどだ。

奨学生と言うことは、学費が優遇されるのか?研究テーマの設定がどうなるかなど、気になるところはあるが、魅力的なシステムだと思う。

 一方、早大は今春、埼玉県本庄市に、アートと技術の融合などを目指す大学院国際情報通信研究科を移設した。OBで映像作家の安藤紘平教授や篠田正浩監督らが指導に当たり、映画・映像の教育と研究をしている。

 今回の提携は、PFFの審査員を務めた篠田監督から、ぴあに持ちかけた。東京芸大、慶応大などが映像研究の大学院の開設を打ち出す中、早大は、ぴあと提携することで、実際の製作や興行の現場に近いところでより実践的な映画監督の人材育成が可能になる。

日本で初の産学協同ケースと言うことになっているが、大学教育で映像制作をきちんと体系的に教えていかなければならないという流れの中において、期待できる連携だと思う。総合大学がこう動いていくとなると、これまでの映像関連の教育機関はどう動いていくのか、気になるところだ。すでに、社会人組の間では、デジタルハリウッド大学院にも熱い目線が送られているようですし。

また、コンペティション側が発掘した監督、人材をいかに育成していくかという姿勢が求められる中で、とても挑戦的なことで好印象を持てる。

ただし、映画、映像制作というものを学問として捉える歴史が浅い日本の学術機関において、いかに「成果」をアピールできるかが、今後の課題でもあるような気がする。

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