映画と演劇の出会いによる映画制作

今年も、仙台短編映画祭 ショートピースが開催されるのだが、その中の企画として、自分が注目しているのが、仙台の演劇人と映画人が出会って映画を制作すると言うワークショップである。
http://www.smt.jp/info/diary/20030922/

仙台に、昨年あたりに10-B0Xという公共の演劇向けのアトリエがオープンしているのだが、そこで主に活動している演劇人と映画人が集まって、一緒にインディーズ映画を制作しようと言う企画である。完成した映画は、来月に催される映画祭で上映されるようだ。

この出来事の中で重要なのは2点だと思う。まず、一つに映画祭の中にワークショップがあると言うことである。岩手県で開催されている盛岡自主制作映画祭、みちのく国際ミステリー映画祭のいずれにも、ワークショップは存在していない。しかしながら、映画祭を地元に浸透させる上で鑑賞とは違った映画との接し方である制作を市民に紹介して行くと言うことは大切なことである。また、短編映画祭、自主制作映画祭と、主なコンテンツがインディーズである場合、作り手を育てて行くと言うことも大切である。それが、直接的になるか、間接的になるかはわからないが、今後の映画祭での上映作品、つまり応募される作品の質、バラエティを左右して行くことは間違いない。

二つ目に、演劇と映画の接点を映画祭が、映画と言うメディアで見出しているところである。と、同時に映画も制作する。そこから人のつながりができて、今後の仙台でのインディーズ映画制作に何らかの効果をもたらすのではないだろうか。ミステリー映画祭では、既存の映画の脚本を舞台用にリライトし芝居を制作しているが、例えば前年のオフシアター部門のグランプリ監督にメガホンを取らせ、盛岡・岩手の役者、映像系スタッフを組織して映画を制作すると言うような展開をはかることができるのではないだろうか。その方が、よっぽど映画祭的だと思うのだが。

地方の映画祭において、何が足りないかと言われているのが、プロモーション面である。つまり、青田買いする場にもなっていないし、そこまでの場を用意できていない映画祭側。そこを若手の育成、発掘にもっと真剣に取り組んで行く必要があるし、果たして市民のための映画祭とは何かと言うことを再考する上でも、この仙台での取り組みは興味深いと思う。

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