インターネットでの配信も「公開」

ぴあへの出品の準備のため、PFFの応募要項を見ていたら、次のような一文があった。

既に公開または商品化された作品は応募受付できません。(例:劇場公開、テレビ放映、ビデオ/DVD発売、インターネット上での配信、海外配給など)

そう、インターネット上での配信も「公開」だということになっているのだ。


インディーズ映画をネットで公開すると言うのは、この間までは、ちょっと実験とか、とりあえず流してみようというノリだった。画質もそんなに良くないし、誰が見るのかも分からないし、流せるなら流しておこうというノリだったのである。つまり、「公開」!なんてことは考えていなかったりする。

アート、映画の世界では、発表/公開、未発表/未公開は大きな意味を持つ。それによっては、コンペに出品できないし、市場価値が違ったりする。多くのコンペでは、未発表作品を募る。コンペとは、発掘と言う役割が大きいのもあるし、賞を授与した後の権利関係を考えると未発表作品の方が良いわけで、賞金が多くつく(スポンサー、主催者の思惑が強いほど)未発表であることがマストな条件となる。

よって、下手な公開なんかをしておくと、知名度を上げるチャンスであるコンペに出品できなくなるなどと言うことがある。だから、初出しがとても大事になって来る。となると、とりあえず流してみるかで、ネット配信はできなくなって来るなと思ったわけです。作品が完成すると、上映会、コンペ出品、配給交渉、セルビデオ/DVD化などを検討するわけですが、この中においてネット配信と言うのもとても大きなウェイトを占めてくることになるのです。

何をここではっきりしたいかというか、述べたいかというと、ネット配信と言うおままごと的に見られた行為が、すっかり大人の行為として認められるようになったことに感慨を覚えるのです。おそらく、2003年は歴史的においても、映画のネット配信に大きな変化を及ぼした年として間違いないでしょう。

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