上田の姫は、機嫌が良いのか、悪いのか、おもしろかった。殿の困惑ぶりにも。おほほ。
大学を出ようとすると、外は既に明るくなっていて、
駐車場の真ん中に立つと、うっすらと朝焼けの空が広がっている。
夜は、月がとてもきれいで、月の光に照らされた雲が空と世界の広さを語っていた。
そして、朝焼けは、僕にいろんな可能性を教えてくれるように、刻々と光を増していく。
意外と真面目な僕は、どうにかなるでしょうという進路設計ができなかったりする。不安になるからだろうか。意外と、筋道を立てて、明確に考えたりする。
でも、道もない荒野に僕は立っているわけで。
朝焼けの下、頭の中が溢れそうになるくらいのイメージとプロジェクトと期待で、自分が決壊しそうで、でも、それに生きる力、拳を握りしめるときに感じる躍動感、それを感じている自分。壊れそうな自分とそこに生きていることを感じている自分という、そのアンバランスさが、今の自分だと思い、そこに自分を求めようと思う。
高校の頃、こんな自分がいるなんて、思いもしなかった。
世の中で自分の存在をこんなに確かめられる日々があるとは。
たぶん、中学の頃の自分も思っていない。
叫びたかった。ものすごい、形相で壊れそうになる自分を押さえながら、生を感じながら、外に放出されるエネルギーを押さえ込んだ。
これは、今、放出すべきものではない。
別なところで、放出すべきものだ。
そう思い、映像的な朝の風景の中を車で走り抜ける。