仕事の取材・調査で千葉県は船橋、三番瀬に行ってきた。地元の網元の方に船を出してもらい、三番瀬を洋上から案内していただく。三番瀬は、東京湾に残る唯一の干潟。一度、埋め立ての計画もあったが、保全運動があり残った貴重な場所である。
漁港を出て、幕張のウォータフロント沿いに沖に出る。海沿いの風景とは、こういう風景なのかと思うぐらい、殺風景なウォータフロントが続く。すべての建物が、海に背を向けて、海の存在をまるで打ち消そうとしている。まばらに人がいる、幕張の海浜公園の砂浜がせめての救い。なぜ、海と向き合わないのか。江戸・東京の都市構造を考える上で、とても大きな問題である。江戸、明治の頃は、水へのアプローチが豊かだったこの都市が、なぜ、海に背を向けて、海のそばに工場だけを造るようになったのか。そこに、ブラックボックス化の思想があるのではないかと思わさせられる。ウォーターフロント・アメニティというのが、本当に機能していくのか、東京の都市作りは新たな局面を迎えているらしい。
網元の方から、「食の安保」という言葉が出た。自給自足が低すぎる国に、国際社会で発言力があるのか?豊かな食の国では、みんなが笑顔でいられる。そんなところでは、戦争は起こらない。網元は、部下たちに、君たちは日本の食の安全を守っているんだと、いつも訓示を垂れているらしい。確かにそうだ。ミサイル防衛だって、そんなのはいい、食の安全を。食のパトリオットをつくるべきだよ。ミサイルは食えん。本当に、身近なところに、国防があるのだ。
その網元のご親戚が、盛岡にいらっしゃるそうだ。天領だった船橋とは違って、盛岡は独自の伝統を守る意志と品格がある街だと、盛岡を褒めてくださった。独自の伝統を大事にしている、そうだよね?と尋ねられてしまったのだが、正直言って、自分自身、言葉に窮してしまった。そうです、盛岡は独自の伝統を誇り、それを継承しています。と、今の自分の中では言い切れないようだ。
しかしながら、とにかくも、盛岡を知る人は、あの街は落ち着いて、品がある街だと、口を揃えて仰ってくださる。なんと、ありがたいこと。とても、嬉しくなる。
三番瀬は、東京駅から30分内で着く距離なのに、なんとも海の豊かさがあるところ。また、足を運びたい(たぶん、また仕事で行くけど)。
RSSリーダーを調子の悪いBloglinesからLivedoor リーダに切り替える。ショートカットの配列がUNIXライクでおもしろい。マニアックだ。きっと、この配列では、一般的なユーザには使いにくいだろう。HHKは自分の周りで不評。でも、大好きさ。Ctrlの位置は小指。
ショックなことが続いて、わからないことが多くなっている。一つ、明確にわかったことは、自分は、「ものづくり」を引退する気はないらしい。というよりは、そんなことを予想もしていなかった。そう言うことだった。生涯現役。