中村勘三郎などが音頭を取って、浅草に「江戸芝居小屋」が建つ予定だ。そのことについて、いとうせいこうがこんなことを書いていた。
ちなみに町側の中心人物を個人的によく知っており、話もずいぶん前から聞いていたので書くのだけれど、このプランはノスタルジーにみに支えられているのではない。中心人物いわく「どんなに最先端の設備を備えた劇場でも数年経てば古くなる。逆に最初から古いものを作ればいつまでたってもすたれない」のである。コンセプトとしてこれは実に冷静かつ適確だ。
人類は、21世紀において「選択の自由」を手に入れた。だから、いつでも、「新しい」ものを選択する必要は無い。「古いもの」を選ぶ選択の自由もあるのである。
これもまた、新しい街のデザインじゃないかな。
このところ、町屋の要素を取り入れた建築に興味がある。コンクリートやガラスを前面に使った建築も素敵だが、そういう建築の方が、日常に溶け込みやすいと思うのだ。