久々に、昼までゆっくりと眠る。さすがに、疲れは溜まっていたので、幸せなまどろみでありました。
午後から楽器フェアに、世の中いろんな楽器があるのだと感心。しかしながら、人出はそんなに多くないような気がした。とはいえ、今週末は、東京は展示会の嵐。どう考えても、全部には行けない。分散化を図れないものでしょうか。
「六感アパートメント」と検索すると、いくつかBlogにヒットし、貴重なご意見が綴られている。読みながら、ふむふむと思う。
一段落してきたので、六感アパートメントとは何だったのか、非常に極私的な視点で考えてみたいと思う。
六感アパートメントにおいて、いくつかのキーワードがあると思うのだが、その中で自分が特に考えたいと思うのが、この二つである。
- 還元
- プロトタイプ
還元とは、地元への還元である。これは、友人の坂田が、あえて地元の盛岡で芝居を公演するのは、自分が東京で学んだことを地元に還元したい理由からだという話を聞いたときに、自分もそういったことをしていかなければ、と強く思わさせられたことに繋がっている。オーガナイザーの中村さんも、こういった考え方を持っていて、みんなが東京で得たものを地元に持って帰ってきてくれ、そうじゃないと盛岡に刺激が無いという話をしてくれたことがあった。
ふと考えると、高校時代、大学時代と、クリエイティブなことに興味関心を持ってから、年の近い若者で、東京でバリバリと上を目指している人間が、自分たちの目の前で、何かを見せてくれたことがあっただろうか。そういった機会は、無かったような気がする。
今回、自分はインタラクティブな作品という、盛岡ではまだまだ馴染みが無い(すくなくとも、自分は盛岡に住んでいたところは、地元で見たことが無い)作品スタイルを持ち込み、展示が出来たことはとても嬉しく思っている。表現形態としては、まだまだ新しく、未知なる領域がある、こういった分野に、多くの後輩たちが触れて、刺激されることを強く望むのだ。実際には、これどうやってつくるの?というような質問は無かったが。
二つ目に、プロトタイプを提示するということ。仕事で物をつくっていると、何らかの制約や要求があり、今自分が持っている尖がっている部分を出すことは難しい。どちらかというと、尖がっている部分の2,3歩手前の部分を出すことで、いくらかの中和を得られ、一般的にも受け入られやすい形になる。しかしながら、そういったことを続けていると、どんどん尖がりを失ってしまう。尖がりを失うと、その2,3歩手前のちょうどいいと思われていたものが、鈍いものになっていってしまう。どこかで、尖がったものを目指して、つくるときが必要なのだと思う。
それが、プライベートワークであったり、プロトタイプ作りであったりすると思うのだ。自分にとっては、それが「六感アパートメント」という機会だったのだろう。今回は、とにかくも、普段は作っていないようなもの、そして、自分たちが新しいと思えることにフルでチャレンジした。集中したプロトタイプ作りを実現できたと思っている。
六感アパートメントから数日経ったぐらいから、「きみいと」をさらにプロダクト的に展開するにはどうしたらいいか、という新しいアイディアとデザインを考えている。プロト的に作られた作品から、その応用といいますか、もっとポップにしていくためにはという発想の下、別なアプローチを見出すことが出来ていて、もしかすると、自分の新しいラインナップを生み出せるのではないかと思っている。
展示会って、意外とお金がかかり、手間もかかる。が、そこで得られるものは大きい。そう思うのだ。来年もまた、チャンスがあればグループ展でもいいし、自分ひとりででも何か出来ればと思う。