何から綴ったらいいのだろうか、今日は悩む。自分の頭の中にあるキーワードとしては、「スペースシャトル、核、ヒロシマ」だろうか。今の時事ネタと言えば、時事ネタだが。
「アポロ13」という映画があるが、そこまで行かなくても、今回のスペースシャトルミッションは、歴史に残るものになるのではないか。まずは、無事に彼らが地球に帰ってくることを願うしかない。NASAの報道官が、いかなる宇宙飛行は実験であると述べていた。まだ、人類には未知なる領域が多い。それは、天空に広がり、自分の足元に広がる。
仕事の合間に、TBSのヒロシマ特集を見た。目頭が熱くなった。戦後60年。その日から、時が止まっているのではないか、そう思わずに入られなかった。一度、広島に行ってみたいと思う。
アメリカでは、原爆は、数多くの自軍兵を救った奇跡の兵器として、今も伝説化されているらしい。もちろん、広島・長崎で何が起こったかは隠してである。今、六カ国協議などで日本の存在は薄い。国連の常任理事国入りも暗礁。世界で唯一の被爆国、平和憲法を持つ国として、どんなことを世界に提案できるのだろうか。内外含めて、日本の持つ経験と英知が求められているのではないだろうか。
子供たちを集めて、被爆時の体験談を話す老女の姿が印象的であった。何かを語り継ぐ。受け継ぐ。どこかで、日本が忘れてしまったこと、そんな気がする。今、日本はリハビリの時期なのかもしれない。忘れてしまった当たり前を取り戻すといったらいいのだろうか。
最近、自分は言葉がきつい。ダメなものは、ダメという。だいたいは、仕事上の話ではあるが。作品を作るうえで、決断は重要であり、あいまいな品質を容認することは、クリエイターにとって命取りである。だから、自分は周りのスタッフに、厳しく物を言う。自分のクリエイティビティ、デザインの大冒険は、まだまだ始まったばっかり。どんな「かたち」に出会うことができるのだろうか。
日本の神道には、八百八神(やおろずのかみ)という考え方がある。いかなるものにも、神が宿っている。物を粗末にしてはいけない、自然を敬うように。そういう教えであると、自分は捉えているのだが、それはデザイン、ものを作ることにもいえることかもしれない。createという言葉には、「創造」という意味がある。キリスト教サイドの視点になるが、それは神の創造の意も持つ。createの変化形に、creatureというのがある。これは、神が創った創造物という意味ももつ、生物という意味を持つと同時に。八百八神の精神で行くと、僕らが作るものは紙が宿るほどのものでなければならないということだと思う。人が、これには神が宿っていると思ってしまうほどの、魂が込められたものでなければならない。
果たして、自分は、そういうものをつくることができているだろうか。ちゃらちゃらしている表面の中では、実はこんなことを自分は考えている。とか言っているが、今日のミーティングでも、「基本は女の子に気に入ってもらわないと…」と言っているので、その本質は、歪んだ魂かもしれないが。