D3
先日、とあるイベントで参加者の職種の内訳を聞く質問が投げかけられ、デザイナーですか?デベロッパーですか?と挙手を求められた。うーん、どっちなんだと思いつつ、デ、デザイナーだよなと思った自分だが、どちらかというと両刀使いの自分としては、そういう区分というのがピンと来ない。
この半年、何か一皮むけたような気がしている。強いて言えば、この3週間ほどで、何か吹っ切れたような気がしている。それは、ディレクタとしての自分の役回りについてである。
正直に申して、自分は、自分で直にものを作り、それを提言していくと言うところに、自分のアイデンティティを見出し、そして自分と世の中に対して闘ってきた。しかしながら、関わるプロジェクトが大きくなったり、スピードが求められるようになってくると、「直に」というのができなくなってくることがある。この点に、自分はととても躊躇するところがあった。自分は、「直に」というところに良さがあると固執していたのだ。しかしながら、その固執が災いして、いろいろと問題を引き起こしている、もしくは良いパフォーマンスを発揮できないことがあったと自己反省することが多い。
何が何でも、すべてを「直に」ということではなく、ディレクタとしてデザインをまとめていくことも、デザイナとしての領分であるし、実は、何かをつくっていくことにおいて、とても大切なことなのだと感じ始めたのだ。俯瞰の視点をさらに持つということだろうか。もしくは、ビジョンを具体化するということに、さらに深化したということなのだろうか。「吹っ切れた」というのは、「直に」を拘らずに、自分のビジョンを如何に達成するかということに、よりどん欲になってきたということなのかもしれない。
お陰様で、このところ、アラカワのディレクタとしてのデザインを認めて頂けるようになりつつある。これは、本当に嬉しいことだ。ディレクタ的に携わるデザイナの役割、これを本当に考えて実践していかなければならないと考えつつ、そう言うところにコマを一つ進められたことを自分自身、歓迎しなければならない。
確かにそうなのだ。こんだけデザイン漬けの日々なんだ。人より早くタイミングが訪れても、おかしくはない。と、思えば、言いのだ。
D3 = Designer * Developer * Director
そう言えば、大学時代に、自分は、Art x Business x Technolgyの積集合でなければならないと決めていた。振り返ると、大きくは逸れてはいない。むしろ、加速させているに違いない。
既存の区分では説明付かない自分たち(あえて複数形とする)。自分たちが、職種を決め、世界を切り開いていくという意気込みで行くしかないと思うのだ。大体、肩書きは社会的評価の中で決まる。肩書きがあやふやであるということは、社会的評価が無いピヨピヨであるということだ。
自分は、まだまだピヨピヨピヨなのです。
P3