青山二郎
美なんていうのは、狐つきみたいなものだ。
空中をふわふわ浮いている夢にすぎない。
ただ、美しいものがあるだけだ。
先日、世田谷美術館で催されている「青山二郎の眼」展を見てきた。青山二郎なんて知らなく、ただ、骨董品の美しさに誘われて行ってきた。
優れた画家が、美を描いた事はない。
優れた詩人が、美を歌つたことはない。
それは描くものではなく、
歌ひ得るものではない。
美とは、それを観た者の発見である。
創作である。
美と向き合うということへの姿勢。それを見せつけられたような気がする。