ダヴィンチ
本日、代休。
東京国立博物館へ「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」 展を観に行ってくる。「受胎告知」が目玉の展示。
と言っても、「受胎告知」を間近で見られるのは1分少々。平日ではあったが、絵の前に行列ができており、立ち止まってゆっくりとみることは許されない状況。レプリカの絵の方は、ゆっくり見られるが。
これから見に行く人には、是非とも右から斜めに見たときと正面から見たときの違いを楽しんでいただきたい。ここに今回の展示のコンセプトが隠れている。ダヴィンチが持つ科学者としての側面が、如何に芸術家としての彼に反映しているかを単著に表している一つなのである。
「受胎告知」自体も素晴らしかったが、この展示を多く占めるのは、遺された手稿に基づく科学者、デザイナ、エンジニアとしてのダヴィンチを取り上げた考証がほとんどであり、本物の絵は「受胎告知」だけである。なぜ、博物館で展示なのか不思議だったのだが、納得がいく展示内容である。科学的な側面からの探求が、どのように絵画に反映されていき、受胎告知のような絵が生まれていくことを示唆している。自分がこれまで持っていたダヴィンチ像がとても変わった様に思える。どれほどの研究の上に、素晴らしい作品が成り立つのか。彼の執念を感じさせる手稿の前に、頭が垂れる。この展示、エンジニアサイドが分かるデザイナには特にもお勧めの展示だ。