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2006.11.29

統一

とある映像作品を観て、二つ思ったことがあった。

それが、昨日の

冷静に見つめるべき熱い感情と、
個々の事柄に引き摺られない統一感について。

についてである。

なんだか、観ている方が気恥ずかしくなる様な、初期衝動的な作品。自分も、ふと考えればこういうノリだったよなと思いつつ、こういう感じの作品ってもう作れないかもなぁと思った。と言って、それが自分が大人になったのか、という後悔ではない。自分の今の作品に対する立ち位置が改めて考えることができた、と思うところである。

作品をつくる上で情熱は大切である。しかしながら、その情熱だけを固まりにしても、それはただの暑苦しいものであったり、自分自身の姿を見失ったものでしかない。客観的に、どこからか、その姿を見る視点が今の自分にはある。であるから、熱い視点と冷たい視点が共存しているのが今の自分と作品の関係性である。

強いて言えば、それがデザインと言うことなのだろうか。だからといって、それがアートとデザインの違いであるとは言い切れない。アートだって、そこには客観的な視点が存在することがあるわけだから、それがすべてとは言い切れない。

きっと、このカットがキレイだなとか、このセリフの言い回しがいいなとか、そういうのが積み重なってこの作品はできたのだろうと、想像するに、なぜ一本通った道のようなものが、この作品にはないのかと思う。つまり、珠玉のカットの集まりだったとしても、それが珠玉の作品になるわけではない。重要なのは、統一感である。あまりにも、細部に深度に入り込むと、全体の姿が見えなくなる。全体としての姿が大切である。全体として、どんな印象を与えるか、どんな体験をもたらすか。それが作品(製品)の価値かも知れない。

と考えると、作品に近づいて、離れて見ることができる視点が大切だ。ズームの変化量をどれぐらい持つことができるか。そのことが重要なのかもしれない。

何を当たり前のことを、と思いつつ、こういうことを改めて考えさせられたというありがたいこと。まぁ、作品の観ての感想は、もっと優雅にエロく撮って欲しいということ。素材がもったいない。


いろいろと人に会う。WEB、グラフィック、サウンド等々、いろんなジャンルのクリエイタにコンタクトを取りつつ、お仕事をご一緒できる方を求めている。少しずつではあるが、インデックスを増やしていかないと。