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2006.08.21

守るべき伝統があることは素晴らしいこと

夏休み最後の日、相方の父の知り合いに誘われ、越谷(埼玉)の阿波踊り大会に行ってきた。行く前は、あまり期待していなかったのだが、着いてみてその規模の大きさにびっくりしてしまった。街の中の大きな通り4カ所が演舞場になり、さんさ踊りのように各チームが踊る。本場徳島からの招待チームも入れて、68チームも出演している。東京近郊の最後の祭りと言うこともあってか、結構な人手だった(今週末は、よさこい@表参道、浅草サンバもあるけど)。

先日、神楽坂に行ったときにも、阿波踊り大会をしていた。高円寺にもあるらしく、東京都内には数カ所阿波踊りをする場所があるようだが、考えてみれば阿波踊りは土佐は徳島の祭りである。なぜ、ここ東京で、阿波踊りなのか、不思議でしょうがない、というのが個人的な感想。きっと、これらの土地にも、独自の祭りがあったはずなのに。

地元の人たちが、本場の人たちに及ばないけども、一生懸命阿波踊りを5月頃から練習して、この夏の本番にその成果を披露し、地元の人々が楽しそうにそれを見ている。それは、素晴らしい光景ではある。しかし、どうしても「本場」は及ばない。やっぱり、阿波踊りは土佐のものなのだろう。

越谷の阿波踊りも22年も続き、もしかしたら伝統の域に達し始めているのかもしれないが、コンテキストのある伝統ではない。そう思ったときに、コンテキストがある、いやそんなの関係なく、その土地に在る伝統のものを持っているということは、なんと素晴らしいことなのかと改めて感じて、なんだか目頭が熱くなった。自分もそうであるのだが、身近にある、そういう誇り高いことを気付かないでいてしまっている。

守るべき伝統があると言うことは、なんとも息苦しいときもある。しかし、それはとても誇り高いことであり、幸せなことである。なんだか、夏休み、最後の日に、自分はそう感じた。

ただ一つ、付け加えておくとするならば、お祭りが終わった後、それまで踊っていた出演者の人々が一斉にゴミ拾いを始めた。あっという間に、道がキレイになっていく。みんな、この街を愛しているのである。伝統があることだけが素晴らしいことではない。その伝統とどう向き合うか、そしてどう生かしていくか(活かすではない、命を吹き込むか)。その姿勢が大切であるということも、この日、自分は知ったような気がする。


しんちゃんの個展に、なぜか、岩渕+ナルキ+相方+自分とで行ってくる。あぁ、濃い面子。ギャラリーで個展って、なんだか素敵。もしかしたら、自分も個展をすると素敵になれるかしらと、ちょっと輝いていたしんちゃんがうらやましい。グラフィックデザインと言うよりは、やはり彼はイラスト性がある人なのだと思う。これに、より個性的なタイポグラフィが入ってくると葛西薫的な雰囲気になるのだろうか。


そういえば、本日は安曇と香菜子が弊社に。しかしまぁ、盛岡に帰っていないのに、いろんな友人と会えてしまった夏である。不思議なものだ。