県立美術館に舟越桂展を見に行く。彫刻とかを意識したこと無いんだけど、舟越桂の作品には独特の雰囲気というか、空気があると思う。映画的な。そう、物語性があるというか。
氏の作品が、時系列に近い形で展示されていて、作家の作風の変遷を感じられるし、氏が何を特に求めているのかが作品の流れでわかるような気がする。
気になったのが、氏の題名の付け方である。いわゆる、ポートレートものだと、「○○の女」というようなネーミングなのだが、そういうのじゃなくて、作品自体には存在していないんだけど、同じ元から生まれている言葉を使った題名が多い。説明的な題名ではないと言うことですね。ですが、観る人というのは題名もやはり意識するので、そこでお互いが響き合うというか、無論、作品の方が存在が大きいわけなのだけど、題名も少なからず表現としての一翼を担っていると思うのです。そういう題名がつけられているのに、刺激されました。
刺激されたと言えば、常設展で展示されていた南部鉄器です。南部鉄器って、伝統工芸品というイメージが強くて、美術品というイメージはなかったんだけど、もう美術品です。知らなかったぁと恥じてしまいました。あの黒の鈍い質感。素晴らしいです。