映画制作」カテゴリーアーカイブ

DJが操る時間軸

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久々におもしろいショートフィルムを見た。

時間軸を動かせるターンテーブルを操るDJ。混沌とするさまざまなファクターが合い奏でるときに生まれる幸せなもの、DJはそれを毎晩もとめているのだろうか。

それにしても、この映画は、インタフェース的なこと、時間を捉えるということ、人生ということ、相互関係の連鎖、さまざまなヒントがちりばめられている知的な作品だと思う。こういうショートフィルムを作ってみたいと思わされる。

大作系映画の保険

Yahoo!ニュース – 読売新聞 – 映画ファンド開発、制作不調時に被害額補償…国内で初

 金融機関が新たな金融手法を駆使して映画制作の支援に乗り出している。

 日本の映画界は、アニメなどを中心に作品自体の評価は高いものの、制作費の調達が難しく、大作といわれる作品が少なかった。新たな金融手法を活用することで、邦画をビジネスとして軌道に乗せ、巨額な制作費を背景にヒット作を出す米ハリウッド映画に対抗する考えだ。

 東京海上日動火災保険は27日、映画が事故などのアクシデントで完成しなかった場合の被害額を補償する「映画制作費用保険」を国内損保として初めて開発したことを明らかにした。

ハリウッドでは、一般化している保険制度が日本でも始まる模様。

良い様に聞こえるが、アメリカの場合、この保険に入れるかどうかが出資者の出資条件になったり、その一方で資本が少ないと保険に入れないというインディーズが抱える問題点もあるらしく、低予算映画の制作現場では問題となるかもしれない。

Adobeが配布する映像制作入門書

本日は、溜まりに溜まっているRSS更新情報の整理をしています。

nizooからのネタ。

Adobe digital video primers

adobeでデジタル映像制作の入門書を配布しています。自分も、PDFをダウンロードして、ちょろちょろと読んでみたのですが、いろいろと細かいネタが載っていてためになる読本です。意外とこういう全般的な映像技術ネタが載っている本はあまり流通していないので、これから映像を作ってみようという人にはお勧めかも。

塚本さんのインタビュー

なぜか、スキップシティ@川口・埼玉帰りのアラカワです。

アップルのPro – Film & VideoにFCPを使って編集をしたという塚本監督のインタビューが載っています。
アップル – Pro – Film & Video 映画監督 塚本晋也 Final Cut Proで映画編集作業を大幅に効率化

アナログ感覚で編集ができるFCPと言うことらしいですが、インタビューに出てくるカミソリツールなどは実際のところ、昔のPremiereからありましたから、インタフェースが若干良くなっているところと一番はハードウェア的に安定してきていると言うところが受けいられているような気がします。

映像産業振興のNPO法人設立へ

朝日新聞「映像産業振興へ近くNPO法人 経団連支援へ」より

 映画、アニメ、ゲームなどの映像コンテンツ産業の国際競争力を上げるための組織「映像産業振興機構」(仮称)が、今年度中にNPO法人として設立される見通しとなった。11月にも法人登録を申請する。日本経団連は10月19日の理事会で同機構を積極的に支援することを決める。

 政府が今年5月策定の「知的財産推進計画04」で、米映画協会(AFI)のように映像産業を育てる民間機関への支援を決めた。その受け皿組織作りを、経団連が映画などの業界団体に働きかけ、まとまった。映画、民放テレビ、アニメ、ゲームなどの企業・団体が参加する同機構は、政府・地方自治体の支援や助成を導く役割を担う。

と言うことらしいです。ちょっと、ピンと来ないのですが、いわゆるメジャー映画会社ではなく、中小の映画制作会社・ゲーム制作会社への支援が行われるのでしょうか。動向が気になります。

仕事の関係で、特区や地域再生の話を聞くのですが、決まって映画のロケーション支援事業というのを見かけるのですが、果たしてそれが機能しているのか、またはネットワーク化されているのか?というのとても気になります。ちなみに、岩手県盛岡市は、この事項を含めて地域再生を申請しています。実感はないのですが。

インディーズ、新しい映像表現を求める映像クリエイタへの支援という点も考えていきたいですね。

ソニー、中高生の映像作品作りに機材提供

asahi.com「ソニー、中高生の映像作品作りに機材提供 毎年約10組」より。

 「ソニー・ムービー・ワークス」と名付けた試みで、中高生から企画案を募り、審査・面接を経て毎年約10組を選ぶ。合格者は撮影アングルや照明などの技術指導をソニー側から受け、約3カ月間、機材を借りて映像制作ができる。プロ用のスタジオでハイビジョンカメラを使った撮影を学ぶこともできる。

とても新鮮な企画に思えた。中高生の放送部って、機材に泣かされることが多い。自分が高校に入学したときは、先輩たちのガンバリがあり、ちょうどVX1000などのDV世代の機材が配備されたときで恵まれていたのだが、学校によってはそうもいかないところがある。コンペ形式で応募して、長い時間、機材を借りて作品を作れるのは、とても励みになると思う。

ソニーの思惑にもあるようだが、こういう企画を通して、映像機材=ソニーというのを植え付けたいというのがあるらしい。昔、富士通はFM-TOWNS(宮沢りえがCMに出ていた、今思うと和製Macな感じのマルチメディア機能満載の独自規格PC)を売り込むときに、かなり教育現場に自製品を売り込んだらしいが、こういった形で企業が教育現場に貢献しつつ、自製品を浸透させるというのは、ある程度のところまでならば利害が一致して良いと思う。

爆破特区

Yahoo!ニュース 「映画ロケ来て! 夕張市「爆破特区」申請へ」によると、夕張ファンタスティック映画祭で有名な夕張市で、市街地での爆破などの撮影を実現する特区構想申請を行うそうだ。

 国内外の製作者に映画を撮影しやすい街としてさらにアピールできないかと、市の関係者が市街地でも建物爆破シーンを撮影可能な「爆破特区」構想を思いついた。特区の対象地域は市内全域で、炭鉱跡地や遊園地、古いアパートなどが候補に挙がっている。同市担当者は既に、国の構造改革特区推進室などと相談しており「いい感触を得ている。米国の映画のようなダイナミックな爆破シーンを実現させたい」と話した。今月中にも申請を予定しているという。

なんとも、大胆な特区構想だが、アクション映画の中で難しかった爆破シーンをやらせてしまおうという発想がすごい。普通は、きれいな自然、情緒ある景色を撮って!というPRだが、こういうニッチな要望に応えるフィルムコミッションの活動は評価できると思う。

 しかし、最近は全国の自治体で映画のロケ誘致が活発化しており、競争が激化している。今回の申請の背景にはさまざまな経済効果とともに、元祖「映画の街」としての存在感を示す狙いもあるようだが、実現すれば、これまで以上に迫力あるシーンが日本で撮影されることになるのは間違いない。

対応の良いフィルムコミッションから、個性のあるフィルムコミッションへ。進んでいるフィルムコミッションは、次のステップに進もうとしているようだ。差別化が進むとなると、基礎体力がないフィルムコミッションの価値はどんどん下がる一方である。