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2006.05.22

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デザインのスタディをちょこっと。

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ちょっと見難いかもしれないが、これも世界地図。

老人の死とは、図書館が焼けること

「老人の死とは、図書館が焼けること」

アフリカの言い伝えだ。ふと、その言葉を頭をよぎる二つのエントリーがあったので紹介を。

もりおか暮らし物語 盛岡ブランド日誌:図書館と啄木

 井上ひさし氏の優れた戯曲のひとつに「父と暮せば」がある。その会話の中に、図書館の役割が出てくる。手元に戯曲がないのでうろ覚えだが、「真実を伝えていく」という役割だと記憶している。本を貸し出したり、閲覧するという役割の前提として、真実(歴史)を後世に伝えるための資料や文献を収集し、活用しなければならないということだろう。  先日、観光で函館に行ってきた。五稜郭のそばに新しい図書館があったので寄ってみた。見事な図書館だった。開放的な書庫に感動した。(まだ、新しい岩手県立図書館をみていないので、比較はできないが)  この図書館には啄木の直筆資料が沢山収蔵されているので有名だ。そこで、司書の方に尋ねてみた。その方の前の職場が「函館市文学館」で啄木のことも詳しい。

書物をアーカイブし物議を醸しているGoogleの問題ではないが、図書館と言うのは単に本を所蔵し、ただで貸すだけの施設ではない。所蔵されている書物のコンテキスト、インデックスを作り出す役割もあるし、同時にそこから新しいコンテキスト、インデックスを作り出す支援も行う必要がある。だから、新しい検索システムを入れたからといって、それがベストではない。その検索システムよりも、多くの知識を持った司書がいることの方がはるかに重要なのである。ここで紹介するエントリーでも、啄木に詳しい職員がいることが、この筆者にすばらしい函館での体験をもたらしたわけである。

しかしながら、一方でこんなエントリーも見かけた。盛岡の駅西口に移設した岩手県立図書館に行った方のエントリーだ。

小仙の徒然日記:アイーナの図書館にがっかり/Dissapointing "aiina"Library

そして、図書館に足しげく通って郷土史料を調べまくってる小仙パパは今日は県立図書館で怒ったそうな。古い図書館はデータベースこそなかったけど、ベテランの図書館司書の方が手際よくどんぴしゃな資料を探し出してくれたり、さらにこんなのも役に立ちませんか?などとアドバイスまでくれたのだそう。ところが、新しい図書館は、月曜も開館するかわり、民間業者に委託してるらしく、郷土資料のコーナーにはど素人としか思えない担当者しかいなくてどーでもいーよーな本を出してきたそうな。小仙パパは怒った! そんな本の程度ならとっくにオレが書いてるよ! あ、小仙パパは元新聞記者で今は郷土研究家なのね。ベテランさんはどこへ行ったのでしょうか。

アイーナをはじめ、県立図書館も管理運営体制が変わり、これまでとは違う職員が働いているようだが、こういう話は残念である。

インターネットが普及し、「検索」ということが「調べる」ということの同意語のように使われるようになった時代において、こういったベテランの司書の価値と言うのは高まってくるのではないだろうか。この話は、単に盛岡・岩手の図書館のサービスが落ちたと言う話だけではなく、これから10年のインターネットを中心とした知の集積において、アルゴリズム化された編集による知の集積なのか、それとも人による知の集積なのか、という人類の前に悠然と横たわっている問題への取り組みでもある。


老人の死とは、図書館が焼けること

人の経験と知識は、変えがたいものを持っているのである。

イナバウアー

Yahoo!ブログ - 愛LOVEもりおか★徒然日記

仙北町の消防署前に、イナバウアーが登場らしい。誰が作っているんだ!?